道後温泉の霊の湯3階個室が保存工事で7年間入れなくなる前に入館してみた


夏目漱石の小説「坊っちゃん」にも登場する道後温泉が、2019年1月15日から2階以上は休館し、7年間の本館保存修理工事に入ります。

工事期間中でも1階の神の湯は入浴することができます。ただし、神の湯も男女交互で工事するため、訪れる場合は道後温泉のホームページをご確認下さい。

※保存工事は多額な費用が必要となるため寄附(クラウドファンディング)が行われています。道後温泉の保全に協力したい人はコチラをご覧下さい。

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道後温泉の歴史

松山市が管理する公衆浴場の道後温泉(国の重要文化財)は、今では年間100万人が訪れる松山市のシンボルとなっています。

明治23年(1890年)、道後湯之町の初代町長となった伊佐庭如矢(いさにわ ゆきや)が、老朽化し改築の必要があった道後温泉を『全国一の観光地にしようと』と改築を計画。しかし、莫大な建築費用がかかるため、町民の中には改築に反対する人が沢山いました。

しかし「この道後温泉が100年たっても真似の出来ない物を造ってこそ意味がある。人が集まれば町が潤い、百姓や職人の暮らしも良くなる」と町民を説得し、13万5,000円(現在のお金で10~20億円)かかる建築費を寄付で集めることができました(小学校の教師の初任給が8円)

木造3階建ての建物は松山城を修復した大工が手がけ、浴槽には最高級の石材。そして明治27年(1894年)、道後温泉本館の改築が成し遂げられました。

寄付をした町民には「永代終身優待券(無料で入浴できる優待券)」が配られました。有効期限が終身と書かれている優待券は、長男夫婦が代々その権利を引き継ぐことができます。

現在でも無料の優待券は使う事ができ、毎日お風呂に通っている人もいるようです。道後温泉に毎日通えるなんてうらやましいかぎりですね。

先祖が莫大なお金や土地を寄付して手に入れた優待券なので、ありがたいと思いながらお風呂に入ればご先祖様も喜ぶでしょう。




霊の湯3階個室のお部屋紹介

3階の個室は8室しかなく休日は混雑するため、入るまでに時間がかかります。霊の湯3階席のコースは「1階神の湯、2階霊の湯とも入浴可、浴衣、貸タオル、お茶、お団子+又新殿見学」付きで1,550円です。

 

霊の湯3階個室(5号室)

朝7時30分に訪れたら運よく1室空いていたので、待たずに入館する事ができました。建物内に入り急な階段を上り、3階の一番端の5号室のが今回利用するお部屋です。


三畳のお部屋には「テーブル、座布団、扇風機、ドライヤー、鍵付きクローゼット、浴衣、貸タオル」が用意されています。



一番奥の部屋だったので丸窓障子、障子を覗いて下を見るとスタッフが利用する階段がありました。




部屋からは前の通りの道と、建物の屋根の部分を見る事ができます。障子を全開にしても誰にも見られないので、お風呂上りは畳の上でゴロゴロしてみました。開放的に気分になりますね。





お風呂から戻ると係りの人が、お茶とお団子を持ってきてくれました。

「お風呂は空いていました」「お話し好きなお年寄りがいたでしょ」など、ご近所の話しから工事期間中の温泉の運用方法など、いろいろお話しを聞くことができました。



霊の湯の個室の利用時間は80分です。5分前に声を掛けてくれるようですが、お風呂に入ってお茶を飲んで少しゴロゴロすると、80分なんてあっと言うまに過ぎてしまいます。




夏目漱石もくつろいだと言われている「坊ちゃんの間」

3階の私の部屋の目の前が「坊ちゃんの部屋」です。入館した方は誰でも見学可能で、部屋の中にはブロンズ像や夏目漱石の写真なども飾られています。




左から「マドンナのモデルの一人とされた遠田ステさん」、真ん中「夏目漱石の見合写真(明治28年12月)」、右側「鏡子さん(漱石夫人)の見合写真(明治28年12月)」


両方とも「小説ぼっちゃんのモデルといわれる先生方」の写真です(松山中学)


上の写真は良く見る夏目漱石、下の写真は松山中学校で英語教師をしていた頃の夏目漱石です。1895年(明治28年)頃から松山で教師をしていたので、明治27年(1894年)に改築したばかりの新築の道後温泉に入ったのでしょうね。

小説「坊ちゃん」にも”住田の温泉”として登場していますが、ずいぶん昔に読んだので記憶にありません。

訪れる前に読むか、訪れてから読むか、いづれにしても小説の登場シーンが現実に楽しめるので、この機会にもう一度読んでみようかな。

霊の湯3階個室に入る方法

霊の湯3階個室は8室しかありません。そのため、休日は利用するのが難しいと言われています。

私が個室のチケットを購入できたのは、月曜日の平日だった事が最大の理由だと思います。

ここからは、プレミアムチケットとなっている霊の湯個室のチケットを取れるかも(?)と言う方法を紹介します。

No.1…平日に訪れる
休日は大勢の人が訪れ大混雑するので、個室の競争率が上がります。そのため、少しでも競争が少ない平日がおすすめです。

No.2…6時前から並ぶ
道後温泉の営業時間は6:00~22:00です。1番に来れば確実に個室に入館できます。しかし、同じように考えている人も大勢いるので、確実に入りたい人は5時台から並んだ方が良いでしょう。

No.3…道後温泉の近くのホテルに泊まる
朝早く道後温泉に訪れるために、近くのホテルに泊まった方が良いでしょう。道後温泉周辺には沢山のホテルがあるので、歩いて来れるホテルがおすすめです。(道後温泉周辺のホテル一覧

No.4…7時20分ごろに再訪問
個室の利用は80分です。全ての人が80分利用するわけではありませんが、6時に個室を利用した人が80分滞在した場合、おおよそ7時20分頃退出します。

そのため7時20分~7時30分頃が狙い目だと思われます(私は7時30分頃訪れて入館することができました)

<補足>
部屋の大きさは選べません。大きな部屋が空いていれば1人でも利用できます。その逆で、3畳ほどの小さいお部屋も、5人で利用したいと言えば利用する事ができます。

雰囲気のある夜の道後温泉

明かりが灯された道後温泉は幻想的な雰囲気で、どこか懐かしさを感じます。昼間は大勢の観光客が写真撮影のため入口付近にいますが、20時ごろになると人も少なく、情緒ある建物を堪能できます。




最上階の赤いギヤマンガラスをはめた障子の部屋には、刻太鼓(ときだいこ)が置かれ、温泉が開いた合図(オープン)の6時に6回、正午に12回、夕方6時に6回に打ち鳴らされます(残したい日本の音風景100選にも選ばれています)

本館施設利用料(コース)


【霊の湯(たまのゆ)】
■3階個室(営業時間6:00~22:00/札止め20:40)
大人(12歳以上)1,550円
子供(2~12歳)770円
・利用時間1時間20分以内
・霊の湯、神の湯ともに入浴可
・浴衣、貸タオル、お団子、お茶、又新殿観覧
※霊の湯、神の湯、お茶とお団子と個室休憩が付いたコース

■2階席(営業時間6:00~22:00/札止め21:00)
大人(12歳以上)1,250円
子供(2~12歳)620円
・利用時間1時間以内
・霊の湯、神の湯ともに入浴可
・浴衣、貸タオル、おせんべい、お茶、又新殿観覧
※霊の湯、神の湯、おせんべいとお茶と55畳の大広間の休憩が付いたコース
 
【神の湯(かみのゆ)】
■2階席(営業時間6:00~22:00/札止め21:00)
大人(12歳以上)840円
子供(2~12歳)420円
・利用時間1時間以内
・神の湯、貸浴衣、お茶、おせんべい
※神の湯、おせんべいとお茶と55畳の大広間で休憩が付いたコース
 
■階下(営業時間6:00~23:00/札止め22:30)
大人(12歳以上)410円
子供(2~12歳)160円
・利用時間1時間以内
・神の湯
 
【又新殿(ゆうしんでん)】
観覧時間6:00~21:30/札止め21:00
大人(12歳以上)260円
子供(2~12歳)130円
※昭和32年(1899年)に建てられた又新殿は、日本で唯一の皇族専用の浴室です。現在は観覧のみですが、大正天皇、昭和天皇も入浴されています(スタッフが案内してくれます)

朝早い時間帯に行ったので観光客も少なく、7~8人の近所のお年寄りが「ありがたいね」「ここに来れると言う事は元気だということ」など、健康の話しをしながら美人の湯に浸かっていました。

お風呂券(永代終身優待券)があるので毎日訪れると言うおばあさんから、お話しも聞けて楽しかった。道後温泉に毎日来られるなんで本当にうらやましい!

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道後温泉の詳細・マップ

道後温泉本館(どうごおんせんほんかん)
住所愛媛県松山市道後湯之町5番6号
営業時間/料金霊の湯
3階個室:6:00~22:00
料金:大人1,550円 小人770円

2階席:6:00~22:00
料金:大人1,250円 小人620円

神の湯
2階席:6:00~22:00
料金:大人840円 小人420円

階下:6:00~23:00
料金:大人410円 小人160円

又新殿観覧
料金:大人260円 小人130円
アクセスJR松山駅前より伊予鉄道市内電車「道後温泉行き」に乗り約25分下車、徒歩約5分
駐車場【市営駐車場】
住所:松山市道後湯之町4-30
利用時間:午前5時30分~午後11時30分
収容台数:100台
料金:30分100円
※他にも「道後温泉祝谷東町駐車場」「道後温泉観光臨時駐車場」などがあります
公式ホームページ道後温泉本館公式ホームページ


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