12世紀後半から13世紀にかけて、ジャヤーヴァルマン7世によって建設されたアンコール・トム。
「トム」と聞くと人の名前を想像しますが『アンコール=都市』で『トム=大きい』と言う意味なんです。
名前の通り1辺3キロメートルの正方形の城壁に囲まれた古代都市。アンコール・ワットより断然大きく、東京ドーム約60個分の大きさと言われています。
ちなみにアンコール・ワットは『ワット=寺院』を意味し、こちらは東京ドーム約42個分の広さです。
バイヨン寺院「クメールの微笑み」と呼ばれる観世音菩薩の四面仏塔が有名ですが、回廊のレリーフ(彫刻)や8頭身の女神像、約300mに渡りゾウの彫刻が施されている「象のテラス」など、見所が沢山あるのでかなり混雑しています。
クロマツアーズの「アンコール・トムと象乗り半日ツアー」
広大な敷地のためジックリ時間を掛けて見学したい!でも滞在時間が短いと、一箇所に時間はかけられません。
そこでアンコールワットに引き続き、クロマツアーズの「アンコール・トムと象乗り半日ツアー」に参加しました。
今回のガイドさんは日本語が上手なsokha(ソカー)さんです。話し方&説明も上手で、独学で歴史や遺跡を調べているので、知識も豊富。日本語のレベルも重要だけど、話し方って大事ですね。
ホテルのロビーで待ち合わせしてアンコール・トムへ
AM8:00、クロマツアーズのガイドさんとホテルのロビーで待ち合わせし、大型のバンに乗ってアンコールトムへ向かいます。
アンコール・トムの手前で車から降り、ここから象に乗って入口に向かいます。ゾウに乗っていた時間は約20分ほどと短かったけど、初めてのゾウ乗り体験、かなり満足しました!
象使いのお兄さんの背中に「TIPS」と書かれたチップ専用ポケットが付いています。確かにチップを渡しやすいけど、最初から用意しているなんてカンボジア人はたくましい。しかも5ドルと分かる見せ札も入っていました。
こちらが象使いのお兄さん「ケイ君(キイ君かも)」です。はにかみながら「サルがいるよ!」と教えてくれたけど、よく見るとかなり若い!年齢不詳だけど、見た目は10代ですね。
アンコールトムは定期メンテナンス中
キイ君とお別れし共通入場券のチェックを受け、アンコール・トムに入場します。せっかくの遺跡見学なのに、修復作業用の重機が置かれていました。
アンコール遺跡は定期的にメンテナンス修復作業が行われています。そのため、かなりの確立で足場や重機が置かれていると考えた方がよいです。
今回ガイドを担当してくれたsokha(ソカー)さんです。日本語がペラペラの上に説明上手!次回、シェムリアップに来る事があれば、絶対に指名したいと思うほど優しいガイドさんでした。
第一回廊のレリーフには「人々の生活」や「戦闘」の様子が描かれています
第一回廊のレリーフです。ここには戦闘や鶏と鶏を戦わせる闘鶏の様子、ワニや魚、耳の長いクメール人や中国人など、当時の様子がレリーフに描かれています。
レリーフを良く見ると、虎が人間を襲っている所が描かれていました。
sokha(ソカー)さんによると、今は居なくなったけど、その昔、カンボジアの密林にも虎が生息していて、このレリーフのように人間もガブリと食べられていたようです。
ここからバイヨン本殿の中に入って行きます。崩壊が進んでいたバイヨン北経蔵は日本の「遺跡救済チーム」によって修復されました。
ここはガイドのSokhaさんのおススメの撮影ポイントです。午後になると逆光になってしまうので、午前中に来た方が良いそうです。
王が変わると宗教も変わる「ヒンドゥー教・大乗仏教」
現在のカンボジアの国教は仏教ですが、アンコール王朝の時代には時の王が信奉する宗教によって『ヒンドゥー教・大乗仏教』と変遷して来ました。
アンコールトムが作られた12世紀後半は大乗仏教でしたが、13世紀にはヒンドゥー教を信奉する王が即位し、それまであった仏教のレリーフは破壊されてしまいました。
もともと仏教のレリーフが描がかれていましたが、足の組みかたがヒンドゥー教に書き直されています。(足の組みかた:仏教は横一直線、ヒンドゥー教は足を斜めに組んだ形になっています)
階段を上ると四面仏塔がズラリ並んでいます
階段を昇るとバイヨン寺院の観世音菩薩の四面仏塔がズラリ並んだ所に到着します。四面仏塔は「クメールの微笑み」と呼ばれカンボジアの紙幣にも描かれています。
8頭身の女神像デヴァダーです。カンボジアでは奇数が縁起の良い数字とされています。(実際に測ると7.7~8と言われています、8に近いのでOKだそうです)
像のテラスには300mに渡り彫刻が施されています
『象のテラス』は約300mに渡り象の彫刻が施されていて、かつて儀式や式典に使われたと言われています。
このテラスは都市遺跡の中でも王宮があったとされる場所の前にあり、東門には『死者の門と勝利の門』の2つの門がありました。
戦いに勝利した兵士のみが通れる勝利の門、戦いに敗れた兵士の魂がバイヨンに戻る時に通ったと考えられた死者の門。
側面にはガルーダとジャシンハが交互に並んでテラスを支えています。ガルーダはインド神話の鳥族の王で体は人間の姿、頭とクチバシ、翼と爪はワシの形をしています。
象のテラスは高さ3m、長さは300m以上もあるとても大きなテラスで、5つある階段も両側には象の姿の装飾があります。
こちらの壁画にはオリンピックの種目のようなスポーツの様子が描かれていました。クメール人対中国人による馬車を使ったポロの様なスポーツ。
馬車の上に人が乗り、更に人が乗り走る競馬の様なスポーツ。レスリングの様子などさまざまなスポーツ競技の模様が描かれています。
広大な敷地の中に「遺跡・バイヨン・象のテラス」など見所満載のアンコール・トムはいかがでしたか。
できれば1日かけて見学したいと思えるほど広大な敷地でした。そして人気の観光地だけあって、AM10:00の時点で大混雑していました。
今回の滞在中一番気温が高く、ほとんど外にいたので体力的に相当キツかった!!
気温の高さに悩まされながらの見学だったけど、それでも、もう一度来たいと思える魅力的な遺跡でした。
ただし、次に来る時は11月後半から12月の観光のしやすい時期に来たいと思います。
アンコール・トム (Angkor Thom) | |
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遺跡入場券/共通入場券 ※2017年2月より値上げされた金額です。 | 1日:券US$37、3日券:US$62、7日券:US$72 |
共通入場券が利用できる主な遺跡 | アンコールワット、アンコールトム(バイヨン寺院)、タプローム、バンテアイクデイ、タケウ、プリアカン、ニャックポアン、東メボン、プレループ、バコン、プリアコー、ロレイ、バンテアイスレイ、クバルスピアン |
遺跡を見学する場合の注意点 | 2016年8月より服装に関する新たな規定を設けることが発表されました。 以下、禁止された服装です。 ・ノースリーブ ・ひざ上丈の半ズボン ・ミニスカート ※旅行者がヌード撮影をするなど、風紀を乱す行動が続いていることが今回の対策の原因になったと言われています。 |
持ち物 | ・水またはスポーツドリンク ・干し梅(熱中症防止) ・カメラ+モバイルバッテリー ※気温が高い時期は通常よりバッテリーの消耗スピードが速いため |
アンコール・トムの歴史 | ■12世紀後半から13世紀にかけて、ジャヤーヴァルマン7世によって建設された城塞都市。アンコール・トムは古代インドの宇宙観にしたがって作られており、中央に位置するバイヨン寺院には巨大な観世音菩薩の四面物塔がそびえ立ち神秘的な雰囲気が漂います。 |
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